今回はサークルではなく stone row ストーンロウ、石の列の紹介です。
New Waste浄水場の入り口（SX627612）に車を停める場所があるので、そこに駐車して斜面を登ります。駐車場へ入るときにゲートがあるので、手動で開ける必要あり（開けたら忘れず閉めること！）。かなり天候が悪くない限りは、車を停めた場所からでも北側を見上げれば、石の列が山の斜面に見えるはず。なので、車から降りた後は迷いようがないですが、それ以前に駐車場所までたどりつくのが道が細いわわかりづらいわでけっこう大変です。Ordnance SurveyのDartmoor (Explorer Maps)
そんな辺鄙な場所ですが、我々の訪れた時にはバンクホリディで連休中だったこともあり、車を停めるスペースを探すのに苦労するほどウォーキングの人々で賑わっていました。といっても、ムアは広いし、皆装備を整えると一心に歩いていってしまうので、秋の仙石原（←箱根）みたいに立ち止まるのも難しいほど人がいるわけでもないのですが。
別名、Cornwood maidens（Cornwoodの乙女たち）という謎めいた名でも呼ばれます。
Cornwoodというのはこのストーンロウから一番最寄りの村の名前です。詳しくは調べられませんでしたが、これもまた天罰や呪いで石になってしまった少女たち、という伝説持ちなのでしょうか？
このロウを目にした時、まず驚くのはその列の長さ。地図を見ればわかるように（この地図の１マス＝１キロです）、全長１キロ近いのです。埋もれている石もあり、現在我々がはっきりと見ることができるのは500mほどですが、実際の長さは840mあると言われています。
倒れている石もずいぶんありますが、長い年月をくぐり抜けて現在でも60個に及ぶ石がまだ立っており、全体的に石の背が高い（最も高いもので2.7m）せいもあってなかなか壮観です。
上の写真は列の北側にあるcairn（墓所）。
このロウの周では他にも幾つかのcairnを見ることができます。足下が凄まじくでこぼこしている（ムアは湿地のため、冬に巨大な霜柱ができて、土地が不規則に持ちあがるせいらしい）ので、石に見とれて転ばないよう気をつけてください。
下はロウを斜面下（南側）に向かって見下ろしたところ。遮るものがないので、眺めはほんとに最高でした。
ここから更に北へ北へと歩くと、Stallmoor stone row（Erme stone rowとも言う SX636678）にたどりつきます。こちらはなんと全長3398ｍ！
下の写真はstalldownのストーンロウの北端から真北を見たところ。かすかではありますが、蛇のようにながーーいStallmoorのロウが山肌に沿ってうねっているのを認めることができます（ギリギリ望遠で撮った上に、わかりやすいようにコントラストをあげてあるので荒い画像ですいません）。ロウの南端（この写真だと列の一番手前、写真下部の緑っぽいところだと思う）にはDancers、別名Kiss-In-The-Ring（←名前が良いですよね）と呼ばれる直径16ｍほどのストーンサークルがあるはずなのですが、これだけ遠くだとちょっとわかりませんね……じーーっと写真を見ると、円形のものが見えるような気もするんですが…
近づくためには片道５キロは覚悟しなければならないので、私は今回あきらめてしまいましたが、体力のある方はぜひ挑戦してみてください。
