イングランドとスコットランドとの境近くの街、カーライル Carlisleより20キロほど南東にあります。ＡＺ等、普通の道路地図にも場所と名前が載っているので見つけるのは簡単。
「のっぽのメグと娘たち」という変わった名前のストーンサークル＆スタンディングストーンです。サークルの直径が約100ｍ（109.4×93ｍ）、とにかく大きい！ 上の写真は４枚の写真をつなぎあわせたものですが、あまりに横幅があるために、縮小するとえらい縦幅の無い写真に… 車一台分の巾の道路がサークルを横切っているのがおわかりいただけるでしょうか。
のっぽのメグことLong Meg（左の写真）はその名の通り背の高い（３ｍ以上あると思います）スタンディングストーンで、娘さんたち（＝ストーンサークル）の外側に立っています。上の写真だといちばん左端、とがったように見える細い石がそれ。写真で見ると遠近がわかりづらいので、サークルのすぐ近くに見えますが、実際は20ｍ以上離れています。時間的にはまずLong Megがあり、やがてその横に寄り添うようにDaughtersが作られたようです。
Long Megの側面にはところどころに渦巻き模様（右の写真）が彫られています。赤っぽいのは、赤い砂岩でつくられているため。
現在知られているストーンサークルの中でも６番目の大きさというだけあって（？）、いろいろな伝説のある石です。
幾つかあげると、
メグとその娘たち（今では娘たち＝Daughtersという名前ですが、以前はSistersと呼ばれていたこともあったようです）は魔女で、マイケル・スコットにより呪文をかけられ石に変えられてしまいました。（注：マイケル・スコットというのは、ダンテの『神曲』にも登場する、中世では名の知られた魔術師であり占星術師）
とか、
もし石が欠けると、血を流します。
とか、
１８世紀のこと。人々が異教徒のシンボルを排除するべく石を破壊しようとした所、一天俄にかき曇り、突然の雷雨が一同を襲ったため、恐れをなした人々は破壊作業を中断せざるを得ませんでした。
とか。
ストーンサークルに関する言い伝えとして定番の、「石の数が数えられない（数えるたびに石の数が変わる）」というのもあります。前述の魔女の話と関連して、誰かが石の数を正確に二度数えられた時、呪文が解けてメグと娘たちは本来の姿に還ることができるでしょう、という話も。しかしストーンヘンジなど「石の数を正確に当てたものは生命を失う」と伝えられるものもありますが……
またこのすぐ近く（NY576374）にはLittle Megと呼ばれているストーンサークルもあるのですが、私が訪れた際にはうまく車を停めるところが見つからず、結局見損ねてしまいました… 地図でみるとlong megから500ｍくらいですから、いっそ歩いていけばよかった、と後悔先に立たず。